自然と琵琶湖の原体験、
水と人の営みを学ぶ
1泊2日の親子旅

親子で高島の自然・暮らしに触れる2日間

2026/08/21

北の近江での「学びの旅」の可能性を探求する本プロジェクトでは、2026年8月21日・22日の2日間、滋賀県高島市を舞台に、「自然と琵琶湖の原体験、水と人の営みを学ぶ1泊2日の親子旅」を実施しました。

親子旅で参加者が得た地域での学びや魅力を、従業員福利厚生や次世代リーダー育成、チームビルディングなどの企業の多様なニーズに昇華させるとともに、運営ノウハウを地域と共有することを目的に本ツアーを造成しました。

親子が旅の時間をすべて一緒に過ごすのではなく、親はワーケーションや街歩き、地域の方との交流などを通じて高島の暮らしや文化に触れ「新たな気づきや自身の見つめ直しを行うこと」、子どもたちは親元を離れ水路での生き物探しや琵琶湖での自然体験で「主体性を育むこと」をコンセプトにしました。

そして、旅の節目に親子で合流し、それぞれが体験したことを持ち寄り、それぞれの視点から高島を知り、「また来たい」と思えるきっかけとなるかどうかを意図しました。

【募集型企画旅行実施者】公益社団法人びわ湖高島観光協会(滋賀県知事登録旅行業第3-231号)

水路での生き物探し

子どもたちのDay1|親元を離れ、自分の「気になる!」を追いかける

1日目、子どもたちは親と一旦別れ、大溝エリアの水路へ生き物探しに出かけました。

網を手に水路をのぞき込むと、ザリガニやカエル、魚、エビ、貝など、身近な水辺にさまざまな生き物を発見。最初は周囲の様子を見ていた子も、次第に自分の興味に従って行動を始めました。「別の場所にも行ってみたい」と自ら提案したり、捕まえた生き物を虫眼鏡や図鑑でじっくり調べたりと、子どもたち一人ひとりの「もっと知りたい」が自然に広がっていきました。また、捕まえたカエルに対して「一匹だと寂しそう」と気にかけたり、最後には「お家に帰りたいかもしれない」と考えて自然へ返したりする姿もありました。

大人から答えを教えてもらうのではなく、自分で見つけ、考え、試してみる。親元を少し離れた環境だからこそ、子どもたち自身が主体となって自然と関わる姿が多く見られました。

<Day1で見られた子どもたちの3つの姿>

  • ① 自分の興味から行動する 「もっと違う場所を見たい」「この生き物は何だろう」と、自分の興味を起点に活動を広げていく姿が見られました。
  • ② 観察から問いが生まれる 捕まえるだけではなく、じっと眺めたり、図鑑で調べたり、自分の知っていることと結びつけたりする中で、それぞれの問いが生まれていました。
  • ③ 生き物を思いやる 生き物を「遊びの対象」としてだけではなく、一つの命として考え、相手の立場を想像する姿も印象的でした。
水路での生き物探し
水路での生き物探しの様子

親たちのDay1|まちを歩き、高島の歴史と暮らしを知る

子どもたちが水路での生き物探しへ出発した後、親たちは大溝のまちへ。まずは国の重要文化的景観に選定されている「大溝の水辺景観エリア」を歩きました。大溝陣屋総門では、大溝の水辺景観まちづくり協議会の仁賀さんから、城下町として発展してきた歴史や、江戸時代から受け継がれてきた町割り、水路などについてお話を伺いました。

地域の方の話を聞きながら歩いてみると、普段なら何気なく通り過ぎてしまう道や水路、建物にも、長い歴史と人々の暮らしが積み重なっていることが見えてきます。

続いて訪れたのは、約400年にわたり鮒寿しづくりを続ける「総本家 喜多品老舗」。琵琶湖の恵みと高島の米、気候を生かした伝統の製法を学び、実際に鮒寿しも味わいました。昔ながらの味を守りながら、新しい商品や食べ方を提案する姿からは、地域の文化を次の世代へつないでいく工夫も感じられました。

アンケートでも、歴史や地域の方との交流を魅力として挙げる声が見られました。観光地を巡るだけではなく、そこで暮らし、文化を受け継ぐ人から直接話を聞くことで、高島を「訪れる場所」から「人の営みがあり応援したい場所」として意味づけされ、参加者の特別な記憶に残る時間になりました。

<Day1で得られた3つの気づき>

  • ① 歴史が、今のまちの風景を形づくっている 大溝に残る町割り水路、歴史的な建物は、かつての城下町の面影であると同時に、今も地域の暮らしの一部として息づいています。背景にある歴史を知ることで、現在のまちなみも時間の積み重なりの中でつくられていることが見えてきました。
  • ② 高島の食文化は、土地の風土とともに育まれてきた 鮒寿しは、琵琶湖の恵み、高島の米や気候、そして長年受け継がれてきた人々の知恵から生まれたもの。食を入り口にすることで、高島の自然環境と人々の暮らしが深く結びついてきたことを感じられました。
  • ③ 文化を受け継ぐ「人」との交流から、在り方を学ぶ 歴史や食文化について、その土地で活動する方、商いを続ける方から直接話を聞く。そこには、受け継いできたものを大切にしながら、次の世代へつなごうとする姿がありました。リアルな地域の声を聞くことで、家族との過ごし方や働き方について、見つめ直す時間にも繋がりました。

親子共通のDay1|湖畔で一緒につくり、囲み、楽しむ夜

日中、それぞれの時間を過ごした親子は、夕方に再び合流。琵琶湖の湖畔で、みんなで夕食づくりに挑戦しました。

この日のメニューは、飯盒で炊いたご飯とカレー。親子で協力しながら準備を進め、自分たちの手でつくった夕食を、目の前に琵琶湖が広がる開放的な環境で味わいました。日中は別々の場所で、それぞれの興味を起点に高島に触れていた親と子。再び同じ食卓を囲むことで、「今日は何をしたの?」「こんなものを見つけたよ」と、それぞれの体験を話す時間にもなりました。

食後は、みんなでキャンプファイヤーを囲みました。火を囲みながら、親子や参加者同士で一緒に過ごすひととき。アンケートでもキャンプファイヤーを印象に残った体験として挙げる参加者が複数見られ、親子で楽しめたことへの声も寄せられています。

昼間はそれぞれの高島を体験し、夜はまた一緒に過ごす。ずっと一緒でも、ずっと別々でもないからこそ、それぞれの発見を持ち寄りながら、親子で過ごす時間そのものも新鮮に感じられる夜となりました。

湖畔でのキャンプファイヤー
湖畔でのキャンプファイヤーの様子

子どもたちのDay2| 火を起こす、ピザをつくる、琵琶湖で遊ぶ。 自分でやってみる一日

2日目も、子どもたちは親とは別のプログラムへ。昼食づくりでは、ピザ窯の火おこしからスタートしました。新聞紙を丸めたり、枝や松ぼっくりを集めたり、薪を窯へ入れたりと、自分たちで役割を見つけながら取り組みました。

食材を切ったり、ピザに好きな具材を乗せたりする中では、普段は大人が担うようなことにも挑戦。包丁を使ううちに少しずつ慣れ、「任せてもらえること」にやりがいを感じている様子も見られました。

午後は琵琶湖へ。泳ぐことを楽しむ子、水草を観察する子、魚を夢中で探し続ける子。それぞれが自分なりの方法で琵琶湖と関わりました。最初は少し慎重だった子も、水に慣れるにつれてスタッフと遊び、思いきり水辺を楽しむ姿が見られました。

<Day2で見られた子どもたちの3つの姿>

  • ① 「自分でできた」が自信になる 火おこしや料理など、少し難しいことにも挑戦し、大人に任せてもらう中で小さな成功体験が積み重なりました。
  • ② 子ども同士で自然に役割が生まれる 年上の子が先頭に立ったり、友達の様子を見ながら行動したりと、子ども同士の関係の中から自然な助け合いが生まれていました。
  • ③ 琵琶湖が「景色」ではなく「自分の遊び場」になる 見るだけだった琵琶湖へ実際に入り、泳ぎ、生き物を探し、水の感触を知ることで、子どもたちにとって琵琶湖がより身近な存在になっていきました。
琵琶湖での自然体験
琵琶湖での自然体験の様子

親たちのDay2|大人も自分の時間を楽しみ、高島の文化を味わう

子どもたちを見送った後、親たちは江戸時代中期から270年以上にわたり大溝で酒造りを続ける「福井弥平商店」を訪れ、9代目店主福井代表と酒米圃場から酒蔵まで一気通貫でご案内いただき、日本酒が生まれるまでのストーリーを学びました。

酒蔵では、代表銘柄「萩乃露」が造られる蔵を見学し、米や水、発酵・熟成など日本酒ができるまでの工程について説明を受けました。見学後には8種類の日本酒を試飲。香りや味わいの違い、店主や従業員との会話を楽しみながら、それぞれお気に入りの一本を見つけるなど、大人自身が高島の文化をじっくり味わう時間となりました。

圃場見学では、「日本の棚田百選」である「畑(はた)の棚田」の圃場、無農薬・無施肥の自然栽培圃場、CO2削減に貢献するもみ殻バイオ炭を使用した圃場と、土地・風土・気候や製法にこだわり酒米づくりに取り組まれている圃場を見学し、地域の農家と連携した酒づくりや地域貢献の取組を伺うことができました。

アンケートでは、「子どもが親と離れて地域の方と過ごせたこと」を貴重な経験として捉える声や、子どもの自主性や成長を感じたという声が寄せられています。また、親自身にとっても、子どもに合わせるだけではなく、自分のペースで体験を楽しめたことが今回の旅の魅力として挙げられました。

それぞれの時間を過ごした後は、再び親子で合流。「こんなことをした」「こんなものを見つけた」と、それぞれの体験を持ち寄ります。ずっと一緒に過ごさなかったからこそ、知らなかった子どもの一面を知ったり、お互いの経験に興味を持ったりする。そんな新しい親子旅の可能性も見えてきました。

<Day2で得られた3つの気づき>

  • ① 高島の文化は、自然と人の営みから生まれている 酒造りを通して、地域の米や水、気候と、長年培われてきた造り手の知恵や技が重なり、高島ならではの文化が育まれてきたことを体感しました。
  • ② 親子が離れることで、それぞれの「成長のきっかけ」が生まれる 子どもは親元を離れて自分で考え、行動する。一方、親も子どものペースだけに合わせることなく、旅で得た学びや気づきを内省し活かす時間が生まれる。普段訪れないフィールドで親子がそれぞれのペースで過ごすからこそ、親子で成長を感じる機会を提供することができました。
  • ③ 再会すると、知らなかった子どもの姿が見えてくる アンケートでは、子どもの自主性や成長を感じたという声も見られました。親がすべてを見守らない時間があるからこそ、再会後に子どもの話を聞き、「そんなことをしたんだ」と新たな一面を知る機会にもなりました。
『畑の棚田』の酒米圃場
『畑の棚田』の酒米圃場

まとめ

子どもたちが、それぞれの「好き」を見つけた2日間

2日間を通して印象的だったのは、子どもたちが同じプログラムに参加しながらも、それぞれ全く異なる楽しみ方をしていたことです。

生き物を捕まえることに夢中になる子、じっくり観察する子、友達を自然に引っ張る子、生き物の気持ちを考える子。琵琶湖でも、泳ぐことを楽しむ子もいれば、魚を探し続ける子もいました。

親元を少し離れ、大人に決められすぎない時間があったからこそ、子どもたちは自分の「気になる」「やってみたい」を起点に行動できたのかもしれません。

正解の決まった学びではなく、自分で発見し、試し、誰かと共有する。その一つひとつが、子どもたちにとっての高島での原体験となりました。

それぞれの体験を持ち寄るから、旅がもっと豊かになる

今回の1泊2日の旅では、親子がずっと一緒に行動するのではなく、それぞれが自分の時間を持ちながら高島を体験しました。

子どもたちは、水路や琵琶湖で生き物や自然と出会い、自分の「やってみたい」を追いかけました。一方、大人は街歩きや地域の方との交流、ワーケーションなどを通じて、高島の暮らしや文化、人の営みに触れました。そして再び親子で集まったとき、それぞれが見たこと、感じたこと、発見したことを共有する。

同じ場所を訪れていても、親と子では見えている景色が違う。だからこそ、お互いの体験を聞くことで、旅の楽しさがさらに広がっていく。

企業に置き換えても、高島市での自然体験や地域の人との交流は、従業員の成長やリフレッシュに繋がると確かな手応えを感じました。

編集後記

参加者にとって、この2日間で生まれた「楽しかった」「もっと知りたい」「また来たい」という気持ちが、これからも高島とのつながりを育てるきっかけになればと思います。

琵琶湖の湖畔
琵琶湖の湖畔

Special Thanks(順不同)

株式会社澤村、淡海酢有限会社、総本家 喜多品老舗、大溝の水辺景観まちづくり協議会、滋賀県立びわ湖こどもの国、株式会社福井弥平商店、びわ湖畔 白浜荘、株式会社dive in LIFE、公益社団法人びわ湖高島観光協会